【動物のビッグ5とは?】其の④ - アフリカンバッファロー 「草食だけど気性は荒い!」

アフリカンバッファローのイラスト

Illust: イラストAC

みなさん「ビッグ5」って知ってますか?心理学用語や性格診断などでも使われており、その他様々な分野でビッグ5とかビッグ3というワードが使われていますね。しかし、今回のシリーズ記事で紹介したいのは「動物のビッグ5」です。全5回の4回目は「バッファロー」です!興味がある方は是非ご覧ください。

 

「動物のビッグ5」とは?


アフリカに生息する5大動物のことを言います。昔、アフリカで人々が狩猟ゲームを始めた時代に最も大きく、危険で、憧れの動物であった「サイ、ゾウ、ライオン、バッファロー、ヒョウ」たちのことを総称して「ビッグ5」と名付けました。現在もアフリカのサファリではこの名残で人気動物の通称として使われています。

動物のビッグファイブ

Illust: Fotolia

アフリカン・バッファロー - African Buffalo(準絶滅危惧 NT)

 

  • 和名でアフリカ・スイギュウ( 哺乳類・ウシ科 )とも呼ばれ、現地では「サバンナの雄」とも呼ばれています。

    体長: 2~3.5m、 体高: 1~1.7m、 体重: 3~9トンあり、オスはメスの2倍ほどになる「ウシ科最大」の動物です。

    体毛は、黒・茶・褐色などでとても粗い毛で覆われています。寿命は野生下で15年前後、飼育下では過去に25年以上生きた個体もいるそうです。

 

  • アフリカンバッファローには2亜種おり、サハラ以南のサバンナに生息するケープバッファロー( ケープ・クロス・スイギュウ )とアフリカ西部のジャングルに生息するシンリン・バッファロー( アカスイギュウ )がいます。

    一般的にアフリカンバッファローと言われているのはサバンナ地帯に生息するケープバッファローのことを指し、この記事でも前者をメインに書いています。

  • IUCNレッドリストによる保全状況は、ビッグ5の中でも絶滅危惧種には指定されておらず、個体数は比較的安定しています。

    人間による森林伐採・開発やスポーツハンティング被害・食用利用、干ばつ等の自然災害、その他感染症などで個体数は減り、生息地も縮小しておりますが、著しい減少にまでは至っていません。

 

  • 特徴はオス・メス共に持つ頭部を覆い左右にある「鎧カブト」のように湾曲した角です。メスを奪い合うオス同士のケンカの時や肉食獣等から身を守る時はその両角を使い、凄まじい背筋力で相手を吊り上げ、天敵の百獣の王ライオンですら吹っ飛ばします。

 

  • 通常は100頭ほどの群れを形成していますが、時期や食料が豊富な場所では1000頭以上にもなることもあります。基本的に彼らは水場から遠く離れた場所へは移動せず、早朝や夕方は草や葉っぱを食べて反芻しています。

    日中は水場や日陰で休んだり、体温調整・肌を乾燥から守る・寄生虫対策などで泥を浴びて「泥パック」しています。

    アフリカンバッファローの写真

    Photo: AdobeStock


  • 天敵はライオンとナイルワニで、メスライオン1頭では成獣のバッファローを狩るの難しいのが現実です。

    曲者はナイルワニで、足に食らいつき、そのまま自ら獲物と共に回転しながら川底に引きずり込みます。これをワニの「デスロール」と呼び、この必殺技で溺死させるため、バッファローにとっては最も脅威的な存在と言えます。

 

  • バッファローは草食動物にもかかわらず、非常に気性が荒く、一度スイッチが入ったら肉食獣だろうが突進して攻撃します。それを承知のライオンは、常に警戒し、群れから逸れた個体や幼獣を狙って狩りをします。

    パワーだけでなく、最高時速「約60km」に到達するスピードも兼ね備えるバッファローは、人間と遭遇しても容赦なく攻撃してきます。現地では毎年数百人もの尊い命が奪われることから「黒い死神」の異名を付けられています。

    ※余談ですが、アフリカで最も人命を奪っている動物は、縄張り意識が超強い「カバ」で、生物全体なら「蚊」です。

    このような攻撃的な気性の荒さから、アジア圏のスイギュウのように家畜として飼われることはありません。日本でも人に危害を加えるおそれのある危険な動物として特定動物として指定されています。


  • 同じウシ科にバッファローに似たバイソンという種もおり、アメリカン・バッファローなどとも呼ばれていますが、大きさや生態はやや異なります。

    主に北アメリカに生息し、アフリカスイギュウより一回り小さいです。両脇に小さな角があり、気性もアフリカスイギュウほど荒くはありません。

 

 

「動物のビッグ5」のまとめ(バッファロー)

レッドリスト 準絶滅危惧 NT
和 名 アフリカ・スイギュ ウ ( 哺乳類・ウシ科 )
異 名 サバンナの雄 / 黒い死神
体長 / 体高 / 体重 2~3.5m / 1~1.7m / 3~9t ( オスはメスの2倍でウシ科最大 )
体 毛 黒・茶・褐色等で粗い
寿 命 野生:15年前後 / 飼育:25年前後
亜 種 ケープバッファロー / シンリンバッファロー
特 徴 「鎧カブト」のように湾曲した角 ( 雄雌共に )
天 敵 ライオンやナイルワニ
速 度 最高時速60㎞
気 性 非常に荒く多くの人間も毎年数百人襲われている / 日本でも「特定動物」に指定
紙幣モデル 南アフリカの100ランド
その他 水場から遠くに離れない / 体温調整・肌乾燥・寄生虫対策などで泥を浴びて「泥パック」


いかがでしたか?「動物のビッグ5」の4回目はアフリカン・バッファローでした。彼らの驚異的な身体能力や生態が少しは伝わったでしょうか?

動物園や各メディアで何となくビジュアルだけは知っていたという人も、今回、皆さんがこの記事を読んで、動物のビッグ5「バッファロー」たちや彼らを取り巻くこの地球の気候変動・環境問題などにも興味関心を持っていただけたなら幸いです。

チャンスがあれば是非、野生の王国アフリカに行ってリアルなバッファローに会いに行ってみてください!次回、最終回の「ヒョウ」も是非みてください。以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

【 過去記事リンク集 】

 

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アフリカンバッファローのイラスト

Illust: シルエットAC