動物園の豆知識【R- 動物バカ】必読!| 世界一危険な動物園は?
こよなく動物を愛する「動物バカ」のみなさん、動物園は好きですか~?
子供たちに人気の「動物園の動物」の豆知識はよく聞きしますが、動物園自体の豆知識は少ないと思いませんか?そのため、この記事では私たちの身近にある「動物園」そのもののちょっとした豆知識を大人向けに紹介します。
--- 目次 ---
【 動物園の概要 】
- 形態・種類:
① 一般的な動物園
② サファリパーク形式の動物園
③ 特化型動物園(クマ牧場・モンキーセンター等)
④ こども動物園
⑤ 移動型動物園 - 動物園数:
日本の動物園数は定義にもよりますが、およそ100以上あり、世界には1000以上の動物園があります。
- 動物園協会・組織:
日本には、JAZA「公益社団法人日本動物園水族館協会」があり、90の動物園と49の水族館、計139園館が加盟しています。
国際組織としては、1935年スイスに設立された WAZA「世界動物園水族館協会」で、世界の300以上の動物園水族館と50以上の関連団体が会員となり、日本からは11団体ほどが加盟しているようです。
- 法律:
動物園は「博物館法」に依拠しており、独立した「動物園法」はありません。現状、博物館相当の施設として位置付けられているのがその理由よのうです。
【 動物園の歴史 】
- 「動物園」言葉の名付け親:
「西洋事情初編(1866年)」という著書の中で「動物園」という単語が使われているのが初めてらしく、この著者は1万円札でおなじみの「福沢諭吉」です。
- 日本初の動物園:
日本では、1873年のウィーン万博で持ち帰った動物を現在の日比谷付近で飼育し、1882年、農商務省天産部の博物館の付属施設として設立された「上野動物園」が初めてです。
その後、京都市動物園、天王寺動物園、などが続いて開園しています。※江戸時代に「孔雀茶屋」「鹿茶屋」など似た施設もあったようですが、動物園の目的とは異なっていたようです。
- 世界発のサファリパーク:
1966年、イギリスの「ロングリート・サファリパーク」ですが、この原型モデルとなったのは、1964年、多摩動物公園の「ライオンバス」とのことです。元祖は日本発で、1975年に逆輸入して「宮崎サファリパーク」が開業(現在は閉園)。
- 世界初の無柵式展示:
1907年、ドイツ・ハンブルクの「ハーゲンベック動物園」で、柵や檻の代わりに溝を掘るなどして、大パノラマ景観を実現させたのが動物商の「カール・ハーゲンベック」とのことです。
【 動物園の役割 】
- 種の保存:
一度、絶滅した種は二度と戻りません。そのため、動物園は種が絶滅しないように繁殖活動をして守っているので、「現代版ノアの箱舟」とも言えるでしょう。
地球上から年々種が減少したり、姿を消したりする生き物を守り、希少動物たちを保護することで次世代につなげています。
珍しい動物でも動物園ではみることができる空間作りをしています。種を守ることは動物園だけの財産ではなく、我々みんなの共有財産なのです。 - 教育・環境教育:
実際の野生動物たちを学びに生息地のアフリカ等へ行くことは困難です。本物の動物からしか学べない彼らの鳴き声やにおいを体感できる場でもあります。
動物園にはプロフェショナルのガイドや飼育員が生態や生息地などの説明をしたり、動物教室や野外観察会なども開催しています。それらが環境教育にもつながり、「人と動物が共存共栄できる社会」を学ぶことにもつながります。 - 調査・研究:
人々の森林伐採や紛争などで野生動物も減少し、彼らの生息地も狭まってきています。そのような時代背景から、現在の動物園は野生動物を捕まえるより、既存の動物たちを繁殖して増やすことに注力しています。
そのためには生態をよく知り、動物園でストレスなく暮らせるための調査・研究が必要不可欠です。その甲斐あり、飼育動物の多くは、野生動物より寿命が長く、子孫も多く残しています。 - レクリエーション:
友達や家族と動物たちをみながら寛いだり、癒されたり、ワクワクしたり、動物園は動物と共に人々に幸せな時間を提供しています。
「命の大切さ・尊さ・美しさ」を感じてもらえるレクリエーションの場として動物園は最適です。動物たちへの配慮を忘れずに適度な空間を保っています。
【 その他豆知識 】
- 世界一展示動物種類が多い動物園:
1844年開園、ドイツ最古の「ベルリン動物園」には、約1,500種・約20,000点の生き物が住んでいます。首都の街中に位置しているため、近代建築物と自然の動物たちが調和しています。日本で言う「上野動物園」でしょうか?
- 世界一危険な動物園:
1994年開園、アルゼンチン・ブエノスアイレス近郊にある「ルハン動物園」です。ここでは、肉食・草食関係なく全ての動物たちと触れ合えることからそのように呼ばれているようです。(開園以来、事故はゼロ)
- 世界一美しい動物園:
1973年開園、シンガポールの中央集水自然保護区にある「シンガポール動物園」です。ここの最大の売りは、檻や柵がなく景観がとても美しい環境で動物たちを観察できるためそのように呼ばれているようです。
- 動物園の餌代:
規模や種類にもよりますが、ある私立動物園では餌代だけで年間4000万ほどかかるそうです。ちなみに、ゾウは「1日約200キロ食べて約100キロの糞をする」とか…
- と体給餌 (とたいきゅうじ):
害獣対策などで捕獲した野生のシカやイノシシを頭部と内臓を取り除き、本来の野生に近づけた状態でエサを与えることを「と体給餌」と呼びます。
SDGs、環境エンリッチメント、獣害問題など、動物園の様々な取り組みの一環でこの「と体給餌」も進んできています。
- パンダのレンタル料:
厳密にはレンタル料とは呼ばず、「保護資金」扱いとされているようですが、ペアで年間約1億円とのことです。命名権はレンタル先にありますが、中国側の同意が必要らしいです。
- 「日本人は一生に4回動物園に行く」:
戦後、全国に動物園が次々と設立され、市民権を得た頃に、この言葉が生まれたようです。
①回目は親に連れられて…
②回目は学校での遠足で…
③回目は子供を連れて…
④回目は孫を連れて…
時代は変わり、現代の「動物バカ」の方々は週一で行ったとして1ヶ月に4回は行きますね!
【 動物園のまとめ 】
いかがでしたか?「動物バカ」なら知ってて当たり前でしたか?動物園の法律がなく博物館扱いというのは意外でした。
動物園の名付け親があの有名な「福沢諭吉」だったとは驚きですね。サファリパークの元祖が多摩動物園の「ライオンバス」をモデルにしてたなんて日本人として誇り高いですね。
動物園の役割は、素人からみたらテーマパークの要素が強いですが、それは一部でその裏側では様々な役割を果たしていることに関心しますね。
「動物バカ」の一人として、個人的にいつか世界一危険なアルゼンチンの「ルハン動物園」に行ってみたいです。みなさんの動物園ライフが有意義になるように、何か一つでも参考になったなら幸いです!
【過去記事リンク集】
【参考リンク集】