【動物のビッグ5とは?】其の③ - ライオン「雄はダメンズ&ヒモ状態?」
みなさん「ビッグ5」って知ってますか?心理学用語や性格診断などでも使われており、その他様々な分野でビッグ5とかビッグ3というワードが使われていますね。しかし、今回のシリーズ記事で紹介したいのは「動物のビッグ5」です。全5回の3回目は「ライオン」です!興味がある方は是非ご覧ください。
「動物のビッグ5」とは?
アフリカに生息する5大動物のことを言います。昔、アフリカで人々が狩猟ゲームを始めた時代に最も大きく、危険で、憧れの動物であった「サイ、ゾウ、ライオン、バッファロー、ヒョウ」たちのことを総称して「ビッグ5」と名付けました。現在もアフリカのサファリではこの名残で人気動物の通称として使われています。
ライオン - Lion(絶滅危惧Ⅱ類 VU)
- Lion は、ラテン語の「Leo」、古代ギリシャ語の「Leon」に由来します。哺乳類・ネコ科の百獣の王ライオンは、体長140~250cm・体重120~225kg・体高100~125㎝ほどで、ネコ科ではトラの次に大きい種です。寿命は野生下で約10年、飼育下で約20年。
- ネコ科の中で唯一ライオンのオスだけが持っている美しい「タテガミ」は、強さの誇示、威嚇、メスにモテるため、急所を守るためなど諸説ありますが、正確には分かっていないようです。
黒いタテガミのほうが「テストステロン」が多く強さの象徴としてメスライオンにモテると言う説もあります。 - アフリカの広大なサバンナに生息するライオンが一般的ですが、サイズは一回り小さく、体色が薄く、単独で狩りをする「インドライオン」という亜種もいます。
現在は、インド北西部の「ギル森林国立公園野生生物保護区」におよそ「500頭」ほどしか生息しておらず、IUCNレッドリストでは絶滅危惧種 (EN)に指定されています。 - ライオンはネコ科で唯一「プライド」と呼ばれる群れを形成します。数頭のオス以外はメスライオンと子ライオンから成り、別の群れから追い出された若いオスに群れを乗っ取られることもあります。
群れを乗っ取った新しい雄リーダーは、本能的に自分の子孫を残すため、実子では無い群れの子ライオンたちを殺すケースが多いようです。
これを「ライオンの子殺し」と呼び、「子供がいるとメスが発情しない」=「自分の子孫が残せない」という野生の本能が要因のようです。 - 狩りはほぼメスライオンたちの役目で、成功率は「20~30%」と言われ、数頭でフォーメーションを組み、連携しながら狩りを行います。
日中も狩りは行われますが、主に夜間からまだ薄暗い早朝に2~3時間獲物を探します。大物の狩りはリスクを伴うため、先ずは小さな子供や弱っている個体に狙いを定めるのが「弱肉強食」のおきてです。 - オスはほほ狩りをせず、一日を怠惰に寝て暮らす、人で言う「ダメンズのヒモ状態」です。理由は諸説ありますが、短気であることや大きさやタテガミで目立つため、狩りには不向きだからではないか?とも考えられています。
オスの仕事は縄張りのプライドを守ることで、雄ライオンの真のライバルはヒョウでもハイエナでもゾウでも無く、群れを乗っ取りに来る同じ雄ライオンです。
- 百獣の王と呼ばれ、最強イメージのライオンですが、メスライオン1~2頭なら体格差もあるため、サイ、カバ、バッファローなどの草食動物たちに負けることもあります。
巨体のアフリカゾウには到底かなわず、威嚇されてしまいライオンたちが逃げていくのが現実です。相当、狩りが上手くいかなくお腹を空かせている場合は子ゾウを狙うことはあります。 - ライオンの「骨格筋率」( 体重における筋肉の比重 )は哺乳類最高の比率で約59%もあります。筋肉の塊「マッチョなビッグ・キャット」、これも百獣の王と呼ばれる所以なのかもしれません。
- ライオンの交尾は1回数秒で終わりとても早いですが、回数が多いようです。発情期のライオンは20~30分に1回行い、一頭のオスが50回程度交尾を繰り返します。過去に5時間で「150回以上」の記録も残されているそうです。
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8月10日は「世界ライオンの日」ヨハネスブルグ(南アフリカ)に本部がある非営利団体のアフリカン・パークスが2013年に制定しました。英語表記は「World Lion Day」。
百獣の王ライオンが、絶滅の危機にさらされていることを世界の人々に知ってもらう保護の喚起が目的です。 - ライオンは南アフリカ共和国で、50ランド紙幣のモデルになっています。
「動物のビッグ5」のまとめ(ライオン)
レッドリスト | 絶滅危惧Ⅱ類 VU |
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語 源 | ラテン語の「Leo」と古代ギリシャ語の「Leon」 |
体長 / 体高 / 体重 | 140~250cm / 120~225kg / 100~125㎝ ( ネコ科ではトラの次に大きい ) |
寿 命 | 野生:約10年 / 飼育:約20年 |
亜 種 | インドライオン:インド北西部に約500頭生息 ( 絶滅危惧種EN ) |
群 れ | ネコ科で唯一「プライド」という群れをつくる |
狩 り | 群れのメスたちの役目で成功率は「20~30%」 |
骨格筋率 | 体重における筋肉の比重は哺乳類最高約59% |
交 尾 | 20~30分に1回、1日50回程度 ( 過去に5時間で150回以上の記録 ) |
天 敵 | 群れを乗っ取りに来る雄ライオン / ハイエナ |
記念日 | 8月10日「世界ライオンの日」 |
紙幣モデル | 南アフリカの50ランド |
その他 | 雄だけが唯一ネコ科でタテガミを持っている / オスは怠惰に寝て暮らす「ダメンズのヒモ状態」 / 新しい群れの雄は「ライオンの子殺し」をする |
いかがでしたか?「動物のビッグ5」の3回目はライオンでした。彼らの驚異的な身体能力や生態が少しは伝わったでしょうか?
動物園や各メディアで何となくビジュアルだけは知っていたという人も、今回、皆さんがこの記事を読んで、動物のビッグ5「ライオン」たちや彼らを取り巻くこの地球の気候変動・環境問題などにも興味関心を持っていただけたなら幸いです。
チャンスがあれば是非、野生の王国アフリカに行ってリアルなライオンたちに会いに行ってみてください!次回、4回目の「アフリカンバッファロー」も是非みてください。以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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