【動物のビッグ5とは?】其の⑤ - ヒョウ 「ヒョウ柄はロゼッタ柄!」

ヒョウのイラスト

Illust: イラストAC

みなさん「ビッグ5」って知ってますか?心理学用語や性格診断などでも使われており、その他様々な分野でビッグ5とかビッグ3というワードが使われていますね。しかし、今回のシリーズ記事で紹介したいのは「動物のビッグ5」です。全5回の最終回は「ヒョウ」です!興味がある方は是非ご覧ください。

 

「動物のビッグ5」とは?


アフリカに生息する5大動物のことを言います。昔、アフリカで人々が狩猟ゲームを始めた時代に最も大きく、危険で、憧れの動物であった「サイ、ゾウ、ライオン、バッファロー、ヒョウ」たちのことを総称して「ビッグ5」と名付けました。現在もアフリカのサファリではこの名残で人気動物の通称として使われています。

Illust: Fotolia

「ヒョウ - Leopard」(絶滅危惧Ⅱ類 VU)

  • ヒョウを英語で「leopard」ですが、語源はギリシャ語のレオ(leo)=ライオンと、パルドス(pardos)=パンサーの組み合わせです。

  • 国際自然保護連合(IUCN)では、

      ①アフリカヒョウ
      ②インドヒョウ
      ③スリランカヒョウ
      ④アムールヒョウ
      ⑤アラビアヒョウ
      ⑥ジャワヒョウ
      ⑦ペルシャヒョウ
      ⑧キタシナヒョウ
      ⑨インドシナヒョウ

    の計9亜種が確認されています。
    ※ここでは主にアフリカヒョウについて書いています。

    この中で最大の亜種は「ペルシャヒョウ」で、体長:150~180㎝・体重:70~100㎏ほどになります。「ユキヒョウ」もヒョウと付きますが、ヒョウよりもトラに近く、ヒョウの亜種では無く別種です。

  • ヒョウはアフリカ、アジア、アラビア半島、ロシア極東部など、ネコ科の中で最も広範囲に分布=子孫繁栄に成功しております。

    生息環境もサバンナ、ジャングル、熱帯雨林、雪原、砂漠、人間の生活圏にまで及んでいます。環境への適応力・順応性が優れており、彼らが捕食する動物はネコ科最多の「200種以上」になります。

 

  • 体長: 100~150㎝、体重: 20 - 90㎏ほどでネコ科の中では大きいほうではありません。寿命は、野生下で10年前後、飼育下で20年前後です。


  • 特徴的なヒョウ柄は、バラの花のような形で ロゼッタ(バラ飾り)」と呼ばれる斑点です。周囲の草木に同化して森林地帯では保護色になり狩りの時に有利に働きます。

    似た柄を持つチーターは、花柄ではなくただの「黒斑点(ドット / 水玉)」で、南米に生息するジャガーは、ヒョウ柄「真ん中に黒い点を付け加えた」模様です。

    Illust: イラストAC(左:ジャガー/ 右:ヒョウ)


  • 突然変異 (劣性遺伝) で産まれる毛色が黒い黒化個体 (メラニズム)の「クロヒョウ」は、アジア (マレーシア、インド、スリランカ等)で高温多湿の熱帯林や亜熱帯林に多く生息しています。

    クロヒョウは、ヒョウの亜種ではなく、普通のヒョウから低確率で生まれます。よく見るとクロヒョウにもヒョウ柄の斑点があります。

 

  • 「孤高のハンター」の異名を持つヒョウは、単独夜行性で日中は茂みに潜んでいたり、樹上で休んでおり、日が暮れる頃に狩りをします。木の上から獲物を物色し、真下に来たらすかさず垂直落下して獲物を狩ったりもします。

    クッションの効いた肉球を持ち、音を立てずに忍び寄ったり、茂みに隠れて待ち伏せしてから一気呵成に襲い掛かります。このように狩りの手法も豊富で「ネコ科最強の名ハンター」です。

 

  • 天敵はライオンやハイエナ等で、苦労して仕留めた獲物を横取りされることもあります。そのため、ヒョウたちは狩った獲物を奪われないように、先ず樹上に強靭なアゴの力で引き上げようと試みます。

    サバンナでサファリをしていると、樹上にヌーやレイヨウ類の死骸がぶら下がっている光景をみることがありますが、それらはヒョウが引き上げた獲物です。

    Photo: AdobeStock サファリ(ゲームドライブ)


  • パワーもスピードもあり、泳ぎもこなすヒョウは、ネコ科の中で最もバランスのとれた運動神経を持っています。また、驚異的な跳躍力の持ち主で、「幅約6m・高さ約3m」はジャンプします。

 

  • アフリカのヒョウは、IUCNのレッドリストデータによると「絶滅危惧Ⅱ類 VU」に指定されており、アムールヒョウ(絶滅危惧IA類 CR)ほど深刻な状況ではありませんが、減少傾向にあります。

    自然減の他にも、毎年、スポーツハンティングや毛皮・牙などを狙った密漁の増加により多くの尊い命が奪われている現状です。

  • ヒョウは南アフリカ共和国で、200ランド紙幣のモデルになっています。

 

「動物のビッグ5」のまとめ (ヒョウ)

レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類 VU
語 源 レオ(leo)=ライオン + パルドス(pardos)=パンサー
亜種 インドヒョウ、アムールヒョウなど全9亜種
最大亜種 ペルシャヒョウ:体長150~180㎝ / 体重70~100㎏
捕食動物数 ネコ科最多の200種以上
体長/体重 約100~150㎝ / 約20 - 90㎏
寿 命 野生下で10年前後 / 飼育下で20年前後
ヒョウ柄 バラの花模様で「ロゼッタ (バラ飾り)」と呼ぶ
クロヒョウ 亜種では無く突然変異(劣性遺伝)の黒化個体(メラニズム)
ジャンプ力 幅約6m / 高さ約3m
天敵 ライオンやハイエナ等
紙幣モデル 南アフリカの200ランド
その他 ネコ科最強の名ハンター / 狩った獲物は樹上に引き上げる / ユキヒョウは別種でトラに近い / ネコ科最強の名ハンター

 

いかがでしたか?「動物のビッグ5」の最終回はヒョウでした。彼らの驚異的な身体能力や生態が少しは伝わったでしょうか?

動物園や各メディアで何となくビジュアルだけは知っていたという人も、今回、皆さんがこの記事を読んで、動物のビッグ5「ヒョウ」たちや彼らを取り巻くこの地球の気候変動・環境問題などにも興味関心を持っていただけたなら幸いです。

チャンスがあれば是非、野生の王国アフリカに行ってリアルなヒョウに会いに行ってみてください!他の記事①~④回を見逃した方は、是非そちらも合わせて見てください。以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

【 過去記事リンク集 】

 

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ヒョウのイラスト

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