【動物のビッグ5とは?】其の② - アフリカゾウ「鼻に骨はあるの?」
みなさん「ビッグ5」って知ってますか?心理学用語や性格診断などでも使われており、その他様々な分野でビッグ5とかビッグ3というワードが使われていますね。しかし、今回のシリーズ記事で紹介したいのは「動物のビッグ5」です。全5回の2回目は「ゾウ」です!興味がある方は是非ご覧ください。
「動物のビッグ5」とは?
アフリカに生息する5大動物のことを言います。昔、アフリカで人々が狩猟ゲームを始めた時代に最も大きく、危険で、憧れの動物であった「サイ、ゾウ、ライオン、バッファロー、ヒョウ」たちのことを総称して「ビッグ5」と名付けました。現在もアフリカのサファリではこの名残で人気動物の通称として使われています。
アフリカゾウ - African Elephant(絶滅危惧IB類 EN)
- アフリカゾウ(哺乳類・ゾウ科)の体長は6〜7.5m、体重は3~7.5トンほどあり、陸上哺乳類の中で最大です。過去には「高さ4m、体重10トン」もの超巨大ゾウも報告されています。寿命は60~70年ほどで、アフリカゾウだけで「約42万頭」生息しています。
- アフリカ中西部には、マルミミゾウ(シンリンゾウ:絶滅危惧IA類 CR)も生息し、アフリカゾウに「属する亜種の説」と「全く別種の説」と二通りあるようです。
身体も耳の大きさも一般的なアフリカゾウより小さく、牙もあまり歪曲していないのが特徴です。雄大なサバンナと異なり、森林のジャングルが生息環境のため、狭い場所でも活動し易い体型に進化したようです。
- 定まった繁殖時期はなく、数年ごとに「妊娠期間22か月」を経て子供を出産します。陸上哺乳類最大の動物だけあり、生まれたばかりの赤ちゃんでも体重は既に「90~120㎏」あります。
- ゾウの代名詞と言える「鼻」は、上唇が鼻と一緒に長くなった「筋肉の塊」のようなもので骨はありません。鼻先には突起のようなものが2つあり、小さな物をつかまえる繊細さと、何トンもの重さを持ち上げるパワーを兼ね揃えています。
- 大きな耳は相手を威嚇したり、体温調整のためパタパタとなびかせ熱を放出させます。また、人が聞き取れない低周波音まで聞き分け、数十キロ先の音も聞きとる驚異的な聴力を持っています。
- 草食性のアフリカゾウは、毎日いろいろな草木を大量に食べて大量の糞をします。サバンナや森林地帯を広範囲に移動するため、行く先々の荒廃地帯・乾燥地帯などで消化の悪いゾウの糞中の種が再び発芽します。これも自然が織りなす「生態系」のひとつで「森林再生」に大きく貢献しています。
- 森林地帯では、大きな足で歩くゾウの群れは、いわゆる「獣道」を作ります。その道を他の動物たちが利用することで楽に移動できるのです。
基本的にゾウは水場やエサを求めて移動するため、その獣道を行けば水場にたどり着けることを他の生物たちも学習し、憩いのオアシスへ導いてくれる道しるべ(ガイド役)になっています。
- ゾウは群れで暮らす「母系家族」で長老がリーダーシップをとり、オスは10代で独立してオス同士で群れたり単独で生活していきます。
- 家族の絆が強いゾウの群れは、子や孫が肉食獣に狙われたら、群れの大人たち全員でスクラムを組みゾウ壁を作って守ります。いかなる危険に脅かされたときでも、みんなで助け合う絆で結ばれています。
高度な社会性を持つゾウ達からは、我々人類に通じる家族の「情」のようなものを垣間見ることができます。
- ワシントン条約(1989年)により象牙の国際取引は禁止されましたが、残念ながらアフリカゾウもサイと同じく密漁者の餌食になっています。
現在も象牙を狙い、「毎年2万頭」ものアフリカゾウがその犠牲になっており、過去の記録によると、年間40トン以上の象牙が密漁されたこともあるそうです。これはアフリカゾウの尊い命が「15分に1頭」の割合で奪われたことになります。 -
8月12日は「世界ゾウの日」:カナダ人のパトリシア・シムズ氏(映画監督)と、タイのゾウ保護団体「Elephant Reintroduction Foundation」が2012年に制定しました。英語表記は「World Elephant Day」。
象牙の密猟や生存環境の悪化による絶滅の危機にあるアフリカゾウやアジアゾウへの関心を深めてもらい、その保護について考えることが目的です。
「動物のビッグ5」のまとめ (アフリカゾウ)
レッドリスト | 絶滅危惧IB類 EN |
---|---|
体長 / 体重 | 6〜7.5m / 3~7.5t (陸上哺乳類最大) |
寿 命 | およそ60~70年 |
亜 種 | マルミミゾウ(シンリンゾウ:絶滅危惧IA類 CR)*別種との説もあり |
生息数 | 約42万頭 |
妊娠期間 | 約22ヶ月。生まれたばかりの赤ちゃんは既に90~120㎏ |
鼻 | 「筋肉の塊」で骨は無い |
耳 | 威嚇や体温調整でなびかせ熱を放出 / 低周波音・数十キロ先の音も聞きとる |
群 れ | 高度な社会性を持つ「母系家族」で長老がリーダーシップをとる |
密漁被害 | 「毎年約2万頭」が犠牲 / (過去の記録によると「年間40t以上」の象牙が密漁 =「15分に1頭」が犠牲) |
記念日 | 8月12日「世界ゾウの日」 |
紙幣モデル | 南アフリカの20ランド |
その他 | 行く先々の荒廃・乾燥地帯などで糞をして、糞中の種が再発芽し「森林再生」している / 森林地帯ではゾウの群れが「獣道」」をつくる |
いかがでしたか?「動物のビッグ5」の2回目はアフリカゾウでした。彼らの驚異的な身体能力や生態が少しは伝わったでしょうか?
動物園や各メディアで何となくビジュアルだけは知っていたという人も、今回、皆さんがこの記事を読んで、動物のビッグ5「アフリカゾウ」たちや彼らを取り巻くこの地球の気候変動・環境問題などにも興味関心を持っていただけたなら幸いです。
チャンスがあれば是非、野生の王国アフリカに行ってリアルなアフリカゾウたちに会いに行ってみてください!次回、3回目の「ライオン」も是非みてください。以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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